スナップショットについて

概要

  • ある瞬間のディスク・イメージを保持したもの。
  • 基本的にはデータの実体を持たないため、ディスクの故障などでデータの実体が消えた場合、スナップショットも消えてしまうので注意。
  • バックアップとして永続的にデータを残すのには向かない。
  • ユーザの操作ミスで消失したファイルの復旧や、テスト環境としての利用などが主。

スナップショットの種類

コピー・オン・ライト方式

  • ディスク・ブロックへのポインタをスナップショット領域に記録する方式。
  • 代表的なものとして、マイクロソフトのVSS(Volume Shadow Copy Service)。
  • ファイルのあるブロックに変更要求があった場合、該当ブロックが上書きされる前に元のブロックをスナップショット領域にコピーし、それ以外のデータはポインタしか保持しない。
  • ディスクが故障してブロックの内容(データの実体)が消えると、スナップショットのデータも消滅する。
  • 変更ブロック以外はコピーしないので、データ量が多くてもスナップショットの取得は高速。
  • 少ないディスク容量で多くの変更履歴を世代で保持できるが、CPUやディスクI/Oに負荷がかかる。

スプリット・ミラー方式

  • 取得元ディスクの複製を,RAIDミラーリング技術を利用して作成する方式。
  • ディスクアレイのコントローラによってミラーリングされているボリュームを切り離し、バックアップ後に再度ミラーリングして、データの整合性を確保する。
  • コピー・オン・ライト方式とは異なりオリジナル・データのディスクが損傷してもスナップショットからの読み出しは可能。
  • 基本的には同一筐体内でしか利用できないので、複数世代のデータを保持するのは難しい。
  • 複数世代の複製が必要であれば、稼働用ボリュームと同じディスク容量が各世代分だけ必要になる。